働き方改革の効果はあったのか?

退社後の女性社員

働き方改革について

「働き方改革」という言葉をよく耳にしますが、実際に働き方は変わったのでしょうか?
働き方改革とは、労働環境の改善に向けて国が提唱する取り組みのことで、一億総活躍社会を実現するために政府が掲げたものです。
この一億総活躍社会とは、少子高齢化の日本において、50年後も人口1億人であること、誰もが仕事や家庭、地域で活躍できるような社会を意味しています。

なぜこのような取り組みが必要かというと、やはり労働力人口が減っていることが背景にあります。
労働力人口は、第二次ベビーブームで誕生した世代が労働力の主力だった1995年くらいにピークを迎え、その後ずっと減少傾向にあり、今後も減り続けると予想できます。
このままでは国力が落ちることが懸念されるために、国が働き方改革を掲げることとなったわけです。

パーソルキャリアのアンケート結果

働き方改革が掲げられ、実際に何か変わったのか、人材会社のパーソルキャリアが調査を行ったところ、残業時間は変わらないと答えた人が全体の過半数を占め、対して残業が減った人は26.3%、逆に増えたという人は17.4%という結果でした。
増えている人よりは減っている人の方が多いということは、少しでも働き方改革の成果と受け取ってよいのかもしれません。
残業時間が減った企業は、金融系、IT関連、通信会社、さらに商社、メーカー、旅行業などが多かったそうです。

残業時間が減った理由は、まず「会社が制度変更をしたから」が37.7%で、「仕事が減ったから」が28.8%、「業務の手順が変更されたから」が17.6%、「移動や担当の変更があったから」が16.4%、また「人が増えたから」という回答も8.9%となっています。
意見としてはサービス残業がいらなくなった、残業が減って時間的に余裕が持てるようになった、残業時間が多い人向けの管理や指導が徹底されるようになったというものがあります。

その一方で、残業時間が増えたと答えた人は、仕事が増えたことを理由にあげています。
「人員が減ったから」が32.4%、「移動や担当の変更があったから」が19.2%、「業務の手順が変更されたから」が16.3%、会社が制度変更をしたから」が8.6%となっています。

アンケートを読んで思ったこと

パーソルキャリアのアンケートから、働き方改革による一定の効果は出ていると判断できる部分もあります。
でも人や働く時間が強制的に減らされて、一部の社員に残業のしわ寄せがいったり、結局早朝出勤や昼休みにも働くなど、改革が意味をなしていない会社もあるようですし、これでは言葉だけが先行している感が拭えません。
働き方改革が叫ばれているだけで、結果的に現場ではその成果を実感できていない人が多いというのが現状なのかもしれません。