財布を開くたびに感じる違和感
発行からしばらく経ち、僕の財布の中にも新紙幣が並ぶことが増えてきました。
渋沢栄一さんや津田梅子さん、北里柴三郎さんの肖像画が描かれた新しいお札は、どれも細部まで非常に精巧に作られていて、日本の印刷技術の凄さを改めて実感します。
しかし、正直なところを言えば、視覚的なデザインにはまだなかなか馴染めずにいます。
一番戸惑うのは、大きくプリントされた算用数字のフォントです。
以前の紙幣は漢字での表記が主役で、数字はどちらかといえば控えめに添えられている印象でした。
一方、新紙幣はユニバーサルデザインを意識したのか、数字がこれでもかと主張してきます。
パッと見て金額が分かりやすいのは良いことなのでしょうが、おもちゃや海外の紙幣みたいで、支払いの瞬間に一瞬だけ手が止まってしまうことがあります。
長年使い慣れた旧紙幣のデザインが頭に染み付いているせいかもしれませんが、自分の中でお金という実感が湧くまでに、もう少し時間が必要なようです。
自動販売機やレジでのちょっとした苦労
デザインの好みの問題だけでなく、実生活での使い勝手という面でも、まだ少し不便を感じる場面があります。
先日、近所の古い自動販売機で飲み物を買おうとした際、新千円札を何度入れても戻ってきてしまい、結局は小銭をかき集めて支払うことになりました。
最新のレジであれば問題なく受け付けてくれますが、地方の駐車場や個人経営の小さなお店の券売機などでは、まだ新紙幣に対応していないケースも見受けられます。
Windows7のサポート終了の時もそうでしたが、社会のインフラが一斉に入れ替わる時期というのは、どうしてもこうした摩擦が生じてしまうものですね。
僕自身、キャッシュレス決済をメインで使うようにはなっていますが、それでも現金が必要な場面は確実に存在します。
そんなときに新紙幣が使えないとなると、少しだけ損をしたような気分になってしまいます。
お店側も対応に追われて大変だと思いますが、消費者としても、しばらくは旧紙幣と新紙幣を混ぜて持っておくなどの自衛策が必要かもしれません。
新しいものが浸透するまでの過渡期ならではの、ちょっとした不便さを楽しむくらいの余裕を持ちたいものです。
デジタル化社会と現金の存在意義
新紙幣のデザインを眺めながらふと考えたのは、これからの社会における現金の役割についてです。
5Gの普及やデジタル化が進む中で、世の中はどんどんキャッシュレスへと舵を切っています。
僕も最近は財布を持たずにスマホ一台で外出することも増えましたが、今回の新紙幣発行という大きなニュースを聞くと、やはり日本社会における現金の重みを再確認させられます。
肖像画に選ばれた方々の功績を改めて調べてみると、日本が近代化に向けて歩んできた歴史の深さを感じ、お札一枚に込められた重みを実感します。
新紙幣のデザインに文句を言いつつも、いつかこれが当たり前になり、旧紙幣を懐かしく感じる日が来るのでしょう。
そのとき、僕の財布の中にはどれくらいの渋沢栄一さんが並んでいるのか、少しだけ期待しながらこれからの生活を送っていこうと思います。
